2010.04.08 Thursday

ジェフ・ベック大阪公演 2010年4月7日

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    ジェフ・ベックがまたしても来日した。今回の大阪公演会場は我が家から徒歩10分のところにあるグランキューブである。

    今回はリズム・セクションを入れ替え、ドラムはまさかのあのナラダ・マイケル・ウォルデンである。ついに本家による「レッド・ブーツ」を聴けるのかという嬉しさもあったが、昨年までのツアーメンバーでもあり、新作レコーディングにも参加していたヴィニー・カリウタ&タル・ウィルクンフェルドを替えてまでどうしてという疑問もあった。

    オープニングは最近の定番になっているマハヴィシュヌ、コブハムの曲を連発。しかし驚いたことにギターの音がやたらと大きく、さらに変に軽い。ステージにはマーシャル・スタックが置かれているが、ヤマハのコンボで鳴らしたかのような音なのだ。いや、マクソンのD&Sを通したかのような低音が削られた音というべきか。そこがあまりにも気になりなかなか音楽に入っていけない。

    さて続いては「レッド・ブーツ」。ナラダのドラム・ソロによるイントロが始まった途端、待ってましたとばかりに拍手が沸き起こる。さすがは「ワイアード」本家である。「あの」音だ。そしてギターが加わると、やはり軽い・・・がそのショボさがちょうど「ワイアード」バージョンで馴染んだあの感じなのだ。グリッサンド等でちょっと耳障りな音の感触が聴き馴染んだレコードのギターの音に近い。まさかこのためにわざわざこういう音作りをしたのだろうか。

    自分の中でエレクトリック・ギタリストは、耳に痛い音を出すか出さないかの二通りに分けられる。耳に痛い音というのは単にトーンが硬いというわけではなく、黒板やすりガラスを爪で引っ掻いた時の音のように不快な音という意味なのだ。そして耳に痛い音を出すギタリストは自分の中ではアウトである。さらに好みのギタリストは、いずれも低音が効いた太い音を出す人達である。

    そういう意味でもジェフ・ベックの出す音は好きなのだが、残念ながら今回はそうではなかった。聴いているうちに馴れるかとも思ったが、中盤に入り新作からのレパートリーや「ピープル・ゲット・レディ」、「ローリン・アンド・タンブリン」などが演奏されても全く音楽に入っていくことができなかった。

    後半に入り「ブラスト・フロム・ジ・イースト」、「エンジェル」と続いたあたりでやっとバランスが改善されたのか、音楽に集中できるようになった。ギターに合うようにドラム、ベースの音量も上がってきたのだ。

    続いての「ダーティ・マインド」は、自分にとっての今日のハイライトの一つになった。思い出したようにベックがギターを持ち替えたと思ったら(といっても同じような白のストラトだが)、このギターは半音下げチューニングだった。そしてナラダ・マイケル・ウォルデンのドラムソロも、ジェイソンによる「キーボード・パーカッション」の「伴奏」付で披露された。静かな曲では超有名プロデューサーとしての経験を生かした歌心ある演奏が中心だったが、ここではリムショットでカンカンに叩かれるスネアが気持ち良く響き、本職であるドラマーの健在ぶりを見せつけてくれた。

    さて終盤にはテレキャスター(またはエスクワイアか?)が登場、ここで今さら「哀しみの・・・」かと思いきや、スライ&ザ・ファミリーストーンの「アイ・ウォント・トゥ・テイク・ユー・ハイアー」が飛び出して驚かされた。

    しかし驚いたのはそれだけではなかった。アンコールでは黒(オックズブラッド?)のレス・ポール・モデルを持って登場、何とレス・ポール&メリー・フォードに捧げて「ハウ・ハイ・ザ・ムーン」をやったのだ。ここではレス・ポールのスタイルそっくりである。そう、敢えて言ってしまうと、ベックのネタの50パーセントはレス・ポールである。レス・ポール・モデルを持ち、レス・ポール氏の最大のヒットをやっているベックの何と生き生きとしたことか。ここでハッと気がついた。彼がレス・ポール・モデルを弾かなくなったのは、レス・ポール・モデルを持つと思わずレス・ポールそっくりに弾いてしまうからではないだろうか。



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    2009.10.09 Friday

    モット・ザ・フープル再結成 2009/10/06

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      結成40周年を記念して、34年振りにモット・ザ・フープルがオリジナル・メンバーにて再結成し、ロンドン、ハマースミス・アポロで5日間に渡りコンサートを行なった。


      モット・ザ・フープルを知ったのは、1979年秋、ある知人からアルバム「ロックンロール黄金時代」を借りてのことだった。以来このアルバムは現在に至るまで、自分にとってのベスト・レコードのうちの一枚である。今では彼らの全てのアルバムがCD化されているが、79年当時はバンドが解散して既に5年が過ぎ、周りの誰も彼らのことを知らなかった。またインターネットも存在しなかったので、彼らのディスコグラフィー、経歴など全く不明だったのだ。自分にとっては幻のような存在だった。

      さて、そんな彼らがオリジナル編成で再結成コンサートを行なうと発表したのは、昨年末頃のことだった。ちょうどZUMのツアーが9月に予定されていたので、それに合わせてロンドンに足を伸ばすのも良いかと思い、今年初めにチケットを押さえていたのだが、自分たちのツアーは11月に延期となってしまった。8月頃まで行くべきかずっと悩んでいたのだが、バルセロナでルシアーノと新曲の仕込みをしたり、イギリス在住の友人を訪ねたりと、他に用事(言い訳?)を作ってロンドンへ行くことにした。

      少し早めに会場であるハマースミス・アポロ(以前はあのハマースミス・オデオンだった!)に到着、窓口でチケットを受け取り、近くのパブで時間をつぶす事にした。コンサートに来たと思しき連中が同じようにビールを飲んでいた。彼らのほとんどが、髪も白くまた薄くなった、ビール腹の50代不良ロックオヤジ達である。

      さて、会場に戻りパンフレットを購入し座席に着いた。追加公演発売直後にチケットを押さえたので、端から5番目ながら2列目である。前座はデフ・レパードのボーカル、ジョー・エリオットがこの日のために結成したバンドで、レパートリーはモット・ザ・フープル解散後のイアン・ハンターの楽曲やモット、そしてブリティッシュ・ライオンズのアルバムからのカバーというマニアックなものだった。数年前のイアン・ハンターのライブDVDではしょっちゅうジョー・エリオットが出てきては鬱陶しく思ったのだが、モット・ザ・フープルの熱狂的なファンを公言する彼らしい選曲で、不良オヤジ達にも好意的に迎えられていた。

      さて、セットチェンジの後、バンドを紹介するアナウンスに続き、昔と同じSEであるホルストの“木星”が流れると、高まる興奮は抑えることができなくなった。そしてバンド全員がステージに登場し、一曲目“Hymn For The Dudes”が始まった。事前に発表されていた通り、健康状態の悪いドラマー、バフィンに替わって、最初はプリテンダーズのマーティン・チェンバースがステージに上がった。続いてファーストから“Rock’n’Roll Queen”、そして“Sweet Jane”など(我々には)お馴染みのレパートリーが次々と演奏された。

      声は若干衰えたものの、解散後もコンスタントに活動を続けていたイアン・ハンターを除き、引退同然だったメンバーばかりだったので、実は全く期待していなかったのだが、演奏は全く問題がなかった。元々ルーズで後ノリのビート、演奏テクニックも関係ないタイプのバンドだったので、少々のブランクでも問題がなかったのかも知れない。またマーティン・チェンバーズの起用も吉と出た。

      中盤、即興でハンターがディランの“Like A Rolling Stone”のさわりを歌いだし、「この曲は40年前にこのバンドのオーディションで歌ったんだが、落とされるところだった。」と言うと、すかさずオヴァレンド・ワッツが「だから、今こうして入れてやったんだ。40年がかりのオーディションだ!」とやり返したり、“I Wish I Was Your Mother”の前では、「次の曲は多分皆知ってるだろうけど、ヴァースは歌うなよ。そこは俺が一人で歌うんだ。フックは歌ってもいい。もし歌ったら止めてもう一回やり直すぞ!」など、楽しいやり取りも続出した。

      またハンターが「次はミック・ラルフスをフィーチャーして“Thunderbuck Ram”と行きたい所だが、それは肉体的に酷というもの。我々はミリオン・セラーは出せなかったけど、彼にはこれがある。」と紹介して、バッド・カンパニーでもリメイクされた“Ready For Love”をやった。また続いてオヴァレンドが歌う“Born Late ‘58”では、ひょうきんな彼が傘を開いて客席の方に走って行ったりという演出も登場した。

      フィナーレではハンターがギターを置いてピアノに移動、バック・ボーカルには彼らの息子、娘達、そして元メンバー兼ローディのスタン、さらにミック・ロンソンの娘(亡き父にそっくり!)らが加わり、“The Golden Age Of Rock’n Roll”、“Honaloochie Boogie”、そして“All The Way From Memphis”で締めくくった。

      メンバーがステージを去った後、クルーによってもう一つのドラムセットにかけられていた黒布が取り払われた。 そう、アンコールでは遂にバフィンも登場。歩くにも不自由なほどだったが、サポートのマーティンに伴われてキットの前に座り3曲を演奏した。’Roll Away The Stone’、‘All The Young Dudes’では場内大合唱、そして’Keep A Knocking’ではバフィンがソロでフィル・インをキメて見せてくれた。

      2度目のアンコール、グランド・フィナーレには残念ながらバフィンは登場しなかったものの、バッキング・ボーカル隊を再度従えて“Saturday Gigs”を演奏、最後は大合唱の観客を残して演奏が少しずつ消えていき、メンバー全員がステージを後にした。

      前座30分、本編2時間、合計2時間半のたっぷり堪能のステージだった。おそらく2度と彼ら全員が生きてステージに上がる事はないだろうし、それに参加できたと思うと感無量である。






      2009.05.25 Monday

      ジム・ホール 大阪公演 2009年5月

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        去る5月22日、ジム・ホールの大阪公演を見に行った。

        会場はザ・シンフォニー・ホール。主にクラシック系のコンサートが開催される場所である。
        コンサートの内容はさておき、主催者側の段取り・対応の悪さが気になるコンサートだった。

        当日、会場には相方より先に到着したので、先に一人で入場しようと受付に行くと、座席を交換するという。どういう理由かは知らないが、持っているチケットよりは良い席になるということだったが、相方の席を覚えていないこともあり、そのまま会場前で待つことにした。

        相方は開演5分前くらいに何とか到着し、二人で入場しようとした。チケットを渡し、席を交換しようとしていると、相方が手に持っていたものをカバンにしまうように言われ、会場外に出された。チケット交換に手間取ったこと、そして外にいた相方が再入場を拒否されたりする(チケットは交換のため既にカウンターに渡してあったので、当然手元にはなかった)ということもあり、ホールの入り口にたどりついたのは、開演時刻を数分過ぎてのことだった。

        入り口ではスタッフに、一曲目が終わるまで中に入れないと言われたので、仕方なく開演に間に合わなかった他の十数名と共に、入り口前のモニターでコンサートの様子を見ることにした。ジム・ホールが一人で登場し、ソロで演奏を始めた。そしてその演奏も終わり、入ろうとしたが、係員たちはどこかへ行ってしまっていた。痺れを切らした別の客が、「入りますよ!」と怒鳴って慌ててやってきて言った。「ただ今からご入場ください。」

        さて、やっとのことで自分の席に着いた。1階の真ん中辺りの良い位置に満足していると、ロン・カーターが登場、デュオで演奏を始めた。ロン・カーターは背筋もピンと伸び、ハイポジションで演奏しても、姿勢を崩さない。アレクサンダー・テクニークでもやっているに違い
        ない。対して、ジム・ホールは昨年手術をしたとの事で、健康状態が心配されていたが、背中がすっかり曲がってしまっているのには驚いた。もちろん指さばきは素晴らしいのだが、椅子に座っているとは言え、すっかり歳をとって見える。もう80才近いのだから、当然と言えばば当然だが、いつも新しいことを取り入れては、我々を驚かしてきただけにショックである。

        そしてロン・カーターは退場、変わってピアノ、ドラム、サックス、そしてベースの4人が登場した。サックス、ピアノと入って、いざギターが入った瞬間、「おや?」と思った。ギターだけピッチが低いのだ。ただホールの音響のせいもあり、しばらく全体で演奏していると慣れてくるのだが、ギターが抜けたのち再び加わったり、ピアノ・イントロで始まった後にギターが加わったりすると、明らかに違和感がある。

        おそらく会場のピアノは442〜443Hz位に調律されているのに対し、ギターは440Hzでチューニングしているに違いない。それがかえってギターを際立たせていると言えなくもないが、厳しい場面も多かった。コントラバスはどちらに合わせるか迷いもあったのかも知れないが、ピッチが若干不安定だった。

        ジム・ホールは背後の譜面台にワーミー・ペダルを置き、オン/オフやプログラム切り替えするたびに、よっこらせと振り返ってスイッチを押す仕草が微笑ましかった。そう、ピッチシフターとしてワーミーを使用し、オクターブ、5度などのハーモニーを重ねて演奏していたのだ。

        ピアニストがバルトーク的なインプロヴィゼーションを繰り広げていた16小節のブルース進行の曲"Careless"、そして、曲名を忘れたが一部最後の曲での演奏が気に入った。

        他のメンバーが去り、ジム・ホールが「また戻ってくるよ。」と言ったので、一部終了して休憩なのだなと思っていたが、何の場内アナウンスもなく突然ステージが暗転した。そして車椅子を押した係員らがステージ中央に向かい、ジム・ホールを連れに出てきた。その間席を立つに立たれず、その様子を見守るしかなかった。どうして他のメンバーがステージを去る時にジム・ホールも連れに来なかったのか不思議で仕方がなかった。車椅子に乗せる姿を見せたくなかったのか?それともジム・ホールがそうするように指示したのか?または一部終了が分かっていなかったのか?全く無意味な演出に感じられた。

        さて、15分ほどの休憩が終了し、今度はロン・カーターを含む5人に加えて、16人編成のストリングスが加わった。そう、今回はあの「アランフェス協奏曲」を、ストリングスを加えて演奏するということだったからだ。ジム・ホールが「大阪ストリングス」と紹介して、まずは「ジャンゴ」を演奏した。

        その「大阪ストリングス」の音はPAのEQのせいか、中高域が耳ざわりだった。この会場ではそんなEQは不要だったのではないだろうか。そしてクライマックスの「アランフェス協奏曲」と続く。やはりジム・ホールだけ明らかにピッチが低い。その狭間で迷いもあったのだろう、ストリングス隊のピッチも悪い。「現場調達」のミュージシャンとは言え、難しかったに違いない。

        そして満場の拍手に応えてアンコールを披露。最後にまたもステージが暗転し、車椅子を押したスタッフたちが登場し、ジム・ホールは去っていった。

        会場では、今回新たにアレンジされた「アランフェス協奏曲」のスコアが販売されていたので、迷わず購入した。

        さて、車椅子ながらも健在なジム・ホールを見れたことは嬉しかったし、ぶっつけ本番とは言えストリングスを加えた編成で、それもアコースティックには定評のシンフォニー・ホールで聴けたのは、リッチな気分を味わうことが出来たのだが、ストリングスの人数を削ってでもビルボード大阪などのクラブでのギグにすべきだったのではないかと思う。

        また元気な姿で来日してくれることを心から望む。

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