2016.04.18 Monday

においの記憶

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    はじめて海外旅行で訪れたロンドンには色々な思い出がある。しかし時々ふと思い出すのは香水の香りだったりする。今でこそ日本人でも香水をつけている人は結構いるが、その頃はそれほどでもなかったので、その印象は特に強かった。

    幼い頃は、タクシーの排気ガスの臭い、百貨店やお菓子の包装紙の香りが好きだった。いずれも嬉しいことに関連していることから好きになったのかもしれない。滅多に乗ることのないタクシーに乗った時の嬉しさ、深夜遅くに謡の稽古から帰宅した父が持って帰ってきたお土産のお菓子、そして百貨店のおもちゃ売り場で買ってもらってそれを開ける時の興奮などだ。

    もっとも、自家用車などウチにはなかったので、誰かがクルマに乗せてくれるとなった時には大喜びだったが、普通のガソリン車の臭いにはときめかなかった。軽油のディーゼルから出る排気ガスにいたっては大嫌いだった。好きだったのはタクシーのLPガスの臭いだけだったから、これはそれだけではないののだろう。

    あと記憶に残るにおいは

    タイガーマスクやウルトラマンなどのビニール人形の臭い

    付録満載の子ども雑誌の紙のにおい

    運動会の行進を練習している自分たちの汗の臭いと、グラウンドの土けむりの臭いが入り混じったにおい

    などだ。


    さて、大人になって花粉症になってからというもの、安っぽい香水や化粧品、洗剤その他に含まれる香料が苦手になった。抗アレルギー剤を服用して症状が出ないようにはしているが、いつちょっとした刺激でくしゃみの発作が出るかわからないのだ。そんな時に妙な香りをプンプンさせた人に近づいて来られようものならたまったものではない。

    それとは別に加齢臭、そして歯周病や蓄膿症からくると思しき口臭には耐えられない。最悪なのは、自分が足を運ぶコンサートには、自分も含めてそういう年頃の親父達がわんさか集まる。したがって音に集中できないことも多々あるのだ。

    しかし、幼い頃の「嬉しい出来事に関連したにおいが好きになる理屈」からすると、そういった悪臭が好きになる可能性もないとも限らない。

    いや、もしそうだとしても、それだけは勘弁だ。

    2016.02.05 Friday

    コーヒーの効能

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      自分に欠かせない嗜好品は、間違いなくコーヒーだ。いつ頃そうなったかを思い返すと、はじめて一人暮らしを始めた25歳の時、コーヒー・メーカーをプレゼントされたのがきっかけだった。その後一旦実家へ戻ったこともあったが、それでもその習慣は続いた。

      それまではいちいち淹れるのは面倒だからと、インスタントで済ませていたのだが、毎朝起きたらコーヒーメーカーをセットしておけば、シャワーを浴びている間にできているよと、コーヒー・メーカーをプレゼントしてくれた人に言われて、それもそうだと思って始めたら習慣化してしまった。

      以前は薄めのコーヒーを一日中何杯も飲んでいたが、ここ20年くらいは濃い目のものを食後にのみ飲む。基本はドリップだが、時にはモッカを使ってエスプレッソやカプチーノも飲む。

      昔はコーヒーは胃に悪いとか、カフェインは良くないとか言われたものだが、最近はコーヒーを飲むと健康に良いという話も頻繁に聞くようになった。自分はそういう話はあまり信じない。だいたい〇〇に良いと言ってバカ飲みしたり、△△に悪いからと敬遠するとろくなことがないに決まっているとからだ。

      しかし最近、コーヒーのある効能を実感した出来事があった。

      先日、生まれて初めて入院〜手術を受けた。結果、手術の日を含めて、丸4日間コーヒーを飲まなかった。これは自分が記憶する限り、この25年で初めてのことだ。

      そして術後5日目、ついにコーヒーを飲んだ。コーヒーがうまいと感じるかどうかは、自分にとっては、ある意味、健康の度合いを測る基準でもある。風邪で熱があったりすると、コーヒがうまくないからだ。しかしこの日飲んだコーヒーはうまかった。だから昼も夜も飲んだ。

      しかし翌朝、手術した辺りが痛むので、コーヒーを飲まなかったのだ。すると一日中術後の傷が疼いて辛かった。そういう日もあるのだろうと思ったが、ふとコーヒーを飲まなかったからかもしれないと思った。そこで翌日は再び朝昼晩とコーヒーを飲んでみた。すると思った通り痛みは和らぎ、一日中調子が良かったのだ。

      自分にとって、コーヒーは鎮痛作用があるに違いない。

      これで毎日欠かさず飲む口実ができた。

      2015.10.30 Friday

      買い物の法則

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        ここ数年、買い物の仕方が変わってきた。

        以前は、例えばジュースを買うにしてもアップル、オレンジ、グレープフルーツなど、違うものを順繰りに買うようにしていたが、最近では最も好きなグレープフルーツ・ジュースしか買わない。以前は飽きてしまうのではないかと思っていたからそうしていなかったのだが、毎日飲んでも飽きないことがわかったからだ。それなら無理して大して好きでないものを買うのも馬鹿馬鹿しい。

        下着や靴下もそうである。ややバリエーションはあるものの、今ではほぼ某大手の黒しか買わない。理由は、
        1.ステージ衣装は黒系が多いので必然的に下着も黒になる。
        2.旅芸人にとってコーヒーなどをこぼすと致命的な白系の衣類は避けたい。
        3.同じ靴下をたくさん持っていると、もし片方が破れても他と組み合わせることが出来る。
        4.下着ごときを選ぶのに悩みたくない。
        といったことだ。

        その傾向はさらに進み、最近では食品や下着どころかジーンズやTシャツなどにも及ぶようになってきた。その顕著な例として、今年の春、全く同じ型番・色のジーンズを3本も買ったのだ。

        もちろん、これまでにも全く同じジーンズを買ったことは数回あった。しかし、それは少なくとも前回の購入から半年〜1年以上経ってのことだった。ローテーションのジーンズが破れてしまって「交代要員」を用意する必要に迫られ、気に入っていたものを再購入したのだ。しかし幾度も洗濯して色合いが異なっていたので、同じ型番・色とはいえ、見た目はかなり違った。

        しかし今年の場合、最初に買ってから2ヶ月の間に同じものを3本も買った。他にジーンズは7〜8本あるはずだが、以来その2本ばかり着用している。いっそのこと、さらにもう2,3本買ってもいいのではないかとさえ思っている。

        子供の頃から若い頃にかけては、毎日同じ格好でいるのが恥ずかしいと思っていた。もしくは毎日違う服を着て気分を変えたいとさえ思っていたこともあった。しかし最近ではどうせほぼ毎日ジーンズをはいているし、違うものを買っても結局あまり着ないことが多い。冒険をして違うものを買っても、いざ着てみると逆に気分が滅入る事すらある。それならわざわざ毎日違う格好をする必要もないと思うようになった。だから仮に、もしあなたと二日続けて会って自分が全く同じ格好をしていたとしても、実はそれは別の服を着ているのだ。


        しかしこんなことを言っていると、単に歳のせいで服装に無頓着になっただけだと突っ込まれそうだ。

        JUGEMテーマ:コラム


        2015.09.06 Sunday

        純正律/平均律

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          ギター弾きにとって、チューニングというのは最も悩まされることの一つだ。

          特に初心者の頃は耳が追いついてなかったり、コツを知らなかったりしてなかなかうまく合ってくれない。自分が初心者だった中学時代は電子チューナーも高価だったので、とても買える代物ではなかった。だから大抵は基準になる音をピアノや調子笛、そして音叉などで合わせ、そこから順番に他の弦を合わせていく。最初の頃は、次の弦の開放で鳴るべき音を、最初に合わせた弦のフレットを押さえて鳴らして合わせていく方法でやっていた。

          しばらくすると、ハーモニクスを鳴らして合わせるという少し「高度な」方法を覚えた。しかし、2本の弦のハーモニクスが完璧に合ってうねりがピタリと止まっても、全ての弦を合わせ終わると、2オクターブ違いのE音同士であるはずの6弦と1弦がなぜかズレてしまうのだ。その時は自分の耳が悪いのか、それともギターに問題にあるのだろうくらいに思っていた。

          しかし、その答えは高校の音楽授業で見つけることができた。音楽教師が授業でこう言ったのだ。「もともと音階というのは、和音が最も美しく響くようにして決められていた。ドとレ、レとミそれぞれの音程は異なっていた。しかしそうするとキーごとに調律をやりなおすか、キーごとに調律された楽器を用意する必要があった。しかしバッハの時代に全ての半音の音程を同じにする平均律が広まった。平均律では和音は濁ってしまうが、そのほうが何かと便利だから、そのまま普及して現在に至った。」

          だから自然に発生するハーモニクスだと平均律とは違う音程が得られた為、平均律での半音間隔で打たれたフレットの音とはずれるわけだ。ということは、ギターだと一般的でなくなった純正律の響きも体験できる。

          仮に、開放弦をC(ド)にチューニングしたギターでハーモニクスを鳴らすと、
          ソ:7フレット、3フレットのややブリッジ寄り
          ミ:4フレット
          ♭シ:3フレットのややナット寄り
          レ:2フレット

          が得られる。これを使えば簡単に純正律の響きを体験できるのだ。ソは平均律よりも数セント高い程度だが、ミはかなり低い。平均律に馴れた耳で聞くと、狂っているように感じてしまう。しかし、ドミソを同時に鳴らすと、平均律では得られない澄んだ響きを体験できるのだ。ためしに実際に録音してみた。

          1.平均律(ドミソ):


          2.純正律(ドミソ):


          しかし、いざ録音したものを聞くと、生で弾いて感じたほどの差はないようにも思える。そこで件の音楽教師が付け加えた内容を思い出した。

          「平均律で調律されたピアノで和音を鳴らすと、音が空気中に放たれるやいなや、それぞれの音は純正律に寄る。」

          そのせいなのか、それとも弾いている時の耳と聞いている時のそれは違うのか、はたまた録音の問題なのかは謎である。

          2015.08.02 Sunday

          からだの声

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            よく以前から「⚪︎⚪︎に良いから△△を食べよう」とか、「□□に悪いから××は控えめに」などと言われる。確かにある意味正しいのだろうとは思うが、自分の体のことは自分の体に聞くのが一番だと思う。

            自分が山菜やらタネ類、苦味の強い物を好きなのも理由があるに違いない。あれが食べたい、これが食べたいと思うのは、体が必要としているからである。だからその欲求に従うことが一番いいはずだ。

            過去に、そういう「からだの声」に耳をかたむけなかったが為に失敗したことが何度かある。

            十数年前のこと、ヨーロッパが記録的な熱波に襲われたことがあった。その夏、ちょうど自分はZUMとして初めてスペインを訪れていた。数本のギグを終え、さらにバルセロナ郊外の修道院にて開催のギター・クラフト関連コースにスタッフ/インストラクターとして参加した。

            宿舎は修道院なので、冷房などあるはずもない。現地の最高気温はおそらく毎日35℃を超えていたと思う。確かに暑かったが、大阪の酷暑で鍛えられた身である。夜、寝苦しければ、さっと熱いシャワーを浴びればぐっすり眠ることもできた。

            コースでは暑さになれていない他の国からやってきた連中も多かった。食事時には誰かが気を使って氷水を用意していたし、またそれを常時飲めるように常に氷を大量に作っていた。大量に汗をかいても喉が渇いたらキンキンに冷えた水を飲むことが出来た。

            さて、コースでの料理の味つけは、大抵薄味である。人によってちょうど良い加減があるので、あとから好みに合わせられるように、常にテーブルには塩コショウが置かれている。さらに毎日大量に汗をかいていたそのコースでは、そのまま食べるとかなり薄味に感じられるた。それにもかかわらず、塩分控えめにしておいたほうがいいだろうなどと考えて、毎食そのまま食べていたのだった。

            そんなある夜のことである。夕食後のクラスでまたしても大汗をかき、休憩に食堂で冷水を何杯も飲んでいた。そうしたらある瞬間、体の中で何かカチッとスイッチが入ったような気がした。それ以降は、喉が乾いているのに水が飲めなくなってしまったのだ。その時は単にちょっと飲みすぎたのだろうと思い、そのままギターを持って続きをする為に広間に戻った。しかしその後どんどん気分が悪くなっていった。吐き気はするわ、下痢の症状が出るわ、熱が出てきたのか寒気はするわ、頭痛、そしてふらつきまで出てきたのだ。

            そう、水分を大量に摂ったものの、逆に塩分が不足したためにおこる脱水症状である。おかげで翌日の午前に予定されていたZUMのレコーディング・セッションを延期する羽目になった。


            ちょうど良い塩加減は舌が教えてくれる。考えてみれば、幼い頃は両親が顔をしかめるほど大量に醤油をかけないと玉子かけご飯が食べられなかったが、歳をとるにつれ薄味になっていった。それでも夏場はやはり濃い目にしないと物足りない。

            結局、何をどれくらい食べたら良いかは、常に体が教えてくれる。あれがいいから食べよう、これが悪いからやめようなどというのはあてにならない。

            しかし、その体の声を麻痺させるものがある。それは、化学調味料、薬物、そしてアルコールだ。

            先日も休日にビールを飲みながら食べ始めたら、信じられない量を食べてしまった。いくら食べても足りなく感じるのだ。

            ビール腹という言葉があるが、ビールで太るのではなく、感覚が麻痺して延々と食べ続けてしまうからなってしまうに違いない。

            JUGEMテーマ:コラム


            2015.06.12 Friday

            梅雨対策

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              また今年も梅雨がやってきた。一年で最も憂鬱な時期である。

              何がイヤかと言うと、自分は天然パーマなのでヘアスタイルの収拾がつかなくなるのだ。せっかくうまくセットできても、外出するや否や爆発スタイルになってしまう。ひどい時には「寝ぐせか?」と聞かれることもある。ワックス、ミストなどあれこれ試してはみるものの、整髪料に打ち勝ってクセが出てくると、変な状態で固まってしまって余計に始末が悪い。

              そういうわけで、梅雨対策にと過去に何度かストレート・パーマをかけたりもした。これが最も具合が良い。雨が降っても何も気にせず外出できるからだ。さらにこれまで一度だけ、実はふつうのパーマをかけたことがある。

              それは10年ほど前のことだ。

              参加していたあるバンドがCD発売ライブをこの時期にやることになった。当日はFM局のDJに業界人も招待しており、集客も大入りが予想された。梅雨時になんとかしなければと考え、そこで本番数日前に思い切ってパーマをかけたのだった。生まれて初めてのことなのでいったいどう注文すればいいかもわからず、全て美容師にまかせることにした。黙って座っていれば、ロック・スターのようにカッコ良くしてくれるに違いないと期待したが、出来上がった自分の髪型を見て後悔した。元のクセ毛が少し強くなっただけのように見えたのだ。しかし折角やったのだし、そのうちに馴れるだろうと思い、そのままで本番当日を乗り切ることにした。

              さてライブ当日に会場入りすると、スタッフの一人がわざわざヘアメイクも連れてきた。他メンバーは全員帽子着用なので彼女の出番はなかったが、帽子を被らない自分を見つけると、ここが腕の見せどころとばかりにバッグからあれこれ取り出した。スタイリング剤をまず髪に馴染ませると、次に取り出したのは、何とストレート・アイロンだったのだ。そして彼女はこう言った。

              「shinkuroさんはクセ毛だから今日はイメージを変えてストレートにしてみましょう。」「えっ、実は三日前にパーマをかけてきたばかりなんです。」と心の中でつぶやき、一瞬ためらったが、初対面だったこともあり、また自分もそのパーマを気に入っていなかったので、されるがままにした。

              そしてその結果出来上がったのは、自分ではそれまでやろうとも思わなかったし、仮にやろうとしても絶対にできないようなヘアースタイルだった。記憶が定かではないが、確か前髪はサラサラ横分け、そしてトップは少し立ちあげ、さらにサイドはぴちっと固めて細く仕上げたちょっと80’sな感じだったのだ。

              違和感があったものの、そのままステージに上がった。ライブなんて演じるだけだからと少しなげやりにもなっていた。しかし終演後、ファンや友人たちは皆そのヘアースタイルに驚いたものの、すごいイメージチェンジだと喜んでくれたり、中にはカッコイイと褒めてくれる人もいた。

              以来、二度とパーマなどかけるものかと心に決めたのだった。

              JUGEMテーマ:コラム


              2015.05.20 Wednesday

              ギター初心者あるある

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                自分はギターを独学で始めたので、最初の頃は一体何をどう練習すればいいのか分からず困ることが多かった。レコード・コピーすれば良いという話を雑誌で読んだが、全く弾けない初心者にはそんなことはもちろん不可能である。今ならある程度ネットで調べることも出来るし、映像で人がどう弾いているかをチェックすれば分かることでも、当時は不可能だった。

                しかし、教本にも載っていない、素朴な疑問や間違い、勘違いが誰にでもあるものだ。


                1.間違えたので押さえていた左手を変えたが、それでも違う音が出る
                →実は右手が違う弦を弾いているのに、慌てて間違ってない左手を押さえ直してしまったために起こる。なぜ思った音が出ないかが即時に判断出来るようになるには数年から十数年の経験が必要である。

                2.必死でベンド(チョーキング)をしているのに、目的の音程まで上がりきらない
                →弦を持ち上げるはずが、実はネックを持ち上げている。だから弦は上がっていない。

                3.難しいフレーズ、速いフレーズを弾く時に息を止める
                →難しいことや、自分の能力限界のことをやろうとすると、つい息を止めてしまいがちである。自然な呼吸をしながら弾けるようになるまではそのフレーズをものにしたとは言えない。

                4.強さと速さが比例
                →速く弾こうとすると思わず強くなり、テンポを落とすと弱くなってしまう。または強く弾くと速くなり、ソフトに弾くと遅くなってしまう。

                5.音の強さと弦を押さえる強さが比例
                →強く弾くのはあくまでも右手であって、左手は必要最低限の力で押さえれば良い。しかし、つい左手に力が入りすぎ、ひどい時には音程までシャープしてしまう。

                6.手と口が連動
                →これはロバートの笑い話の一つにも登場するエピソードである。
                生徒「どうやったら速く弾けるようになるのでしょう?」
                ロバート「君は手と口が連動している。だから速く弾くには速く口を動かす練習をしなければならない。」
                もちろん、これは手と口が連動しないようにしなさいと言っているのである。

                しかし、知り合いの某ギタリストは初心者ではないが、よく口も動く。連動していることも多いが、一瞬真っ白になって弾く内容を忘れると、手の代わりに口が動くようだ。

                先日も一緒にライブをやっている最中、高速フレーズを弾くところで音が止まった。彼を見やると、止まった手の替わりに口が高速でモグモグモグと動いていたのだった。その姿たるや、木の実をかじるリスのごとし。思わず吹き出しそうになった。あれだけ速く口が動かせるなら、ロバートもさぞかし驚くことだろう。

                教訓:彼と演奏をする時は、音が止まったからといって彼の方を見てはいけない。

                2015.05.09 Saturday

                致命的欠陥

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                  よく自分が作る曲には、日本の歌謡曲的要素が皆無だと言われる。そういった曲作りが出来ないと、日本では商売できないと言われたこともあった。さらにそれは致命的欠陥だと言われたことさえある。

                  そう言われるのも当然のことなのだ。実は、小学6年の時に日本の“歌謡曲”を聴くのを止めたからである。

                  それまでは、なんとなくラジオの歌謡番組を録音して聴いたりしてはいたのだが、小6でビートルズに夢中になり、さらにそこから様々な音楽に興味を持つようになってからというもの、大して好きでもないことに時間を使う余裕はないと思ったからだ。クラスほぼ全員が見ていたTVのベスト10番組はもちろん、ラジオ番組も聴かなくなった。

                  しかし最近になって、「致命的欠陥」の原因はそれだけではないことに気がついた。

                  それは、父が流行歌嫌いだったことである。最近まで忘れていたのだが、自分が幼い頃、歌番組など見ようものなら、父はすかさずチャンネルを変えたのだ。さらに親子共にお気に入りだった「8時だよ全員集合」でも、歌コーナーになるや否や父はチャンネルを変えたのだった。

                  だから自分が知っている日本のヒット曲はごく僅かしかない。

                  周りのミュージシャンらには「ジャズやロックばかり聴いてきたとしても、演歌だってやろうと思えばすんなり出来る。」と言われたが、自分にはおそらく不可能だろう。


                  親にやめろと言われてもギターを弾き続けて反抗しているつもりになっていたが、結局のところ親の影響は大きかったということか。
                  2015.04.05 Sunday

                  大きな出会い

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                    自分が能動的に音楽を聴くようになった小学6年以降、色んな場所で色んな音楽に出会ってきたが、その時々で大きな飛躍につながる重要な出会いがあった。

                    ネット時代の今なら知らない音楽に出会うのも簡単だが、レンタル・レコードすら存在していなかった10代前半だった頃は、その方法も非常に限られていた。同世代、またはそれ以上の人なら大体似たり寄ったりだろうが、

                    1.ラジオ
                    2.友人、知人
                    3.雑誌
                    4.レコードのクレジット、ライナーノーツ
                    5.親、兄弟
                    6.同好会、サークル

                    といったところだろう。

                    この中で、自分にとって最も大きな情報源だったのは1のラジオだったが、そこで紹介されるレコードは当時発売されたばかりの新譜やヒット中の曲、または新作が発売されたり、近々来日するミュージシャンを特集するといったところがほとんどだった。3も大体似たり寄ったりだった。

                    その次に重要だったのは2だが、弟しかいない自分にとって、年上の兄弟を持つ友人は特に重宝した。彼らは我々の知らない音楽を知っている場合が多かったからだ。4は、そこから関連ミュージシャンに興味を持ち、新しい道が開ける時がある。

                    さて、自分にとっての非常に重要な飛躍につながった出会いの一つは、中学2年の時に、母が職場の同僚から数ヶ月に渡り、合計20枚程度のレコードを貸りてきてくれたことだった。その人は当時20代前半だったはずだが、母に音楽好きな中学生の息子がいると聞き、コレクションから適当に見繕って貸してくれたのだ。その世代なら、ゼッペリンやザッパの来日はおろか、ウッドストックが開催された時も、ビートルズが存在していた時代も実際に経験しているはずであるから、ロック黄金世代と言ってもいいだろう。

                    彼女から借りたレコードには、既に自分が持っていたレコードも1枚あったし、ラジオで聞いて知っていたレコードも何枚かあったが、名前は知っているが聞いたことのなかったものや、名前も存在すら知らなかったミュージシャンのレコードもあった。

                    そんな彼女から借りなかったら、今では自分にとって非常に重要なレコードでも、全く出会っていなかったかも知れない。特に解散して数年を経たバンドで、それまでに出たアルバムはほぼ廃盤状態だったりすると、当時は知る術がなかったからだ。

                    またはその時に出会わなければ、タイミングを逃して重要な意味を持たなかったかも知れない。音楽と人間との関係は、それぞれ違う周期で自転している物体のようなもので、たまたまその音楽が自分の好きな側面をこちらに向けた瞬間に巡り合うと、その音楽全ての良さが分かってくるからだ。

                    その時に借りて気に入ったレコードはカセットに録音して聴いていたが、結局後になって自分で買いなおした。さらに、その時は気に入らなかったレコードも、何枚かは自分でもう一度聴きたくなって買うことになった。極めつけなのは、その中のひとつのバンドに至っては、再結成コンサートを見る為にわざわざロンドンまで行くという馬鹿なことまでやってしまったことだろう。

                             


                    2015.03.21 Saturday

                    泣きどころ、笑いどころ

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                      映画は基本的に一人で見る。自宅ではもちろん、映画館に行くのもそうだ。なぜならば、自分はどうやら他人とは感動したり笑ったりするポイントが異なっているからだ。

                      最初にそれを自覚したのは「ウォレスとグルミット〜ペンギンに気をつけろ」を見に行った時のことだった。奇想天外なストーリー、余りに面白い展開で大声を上げて笑ってしまったのだが、館内はシーンと静まり返っていた。最初はみんな展開の凄さに声を失ったのかと思っていたが、次から次へと繰り出される(自分にとっての)爆笑シーンにもかかわらず、誰一人声を上げて笑ってはいなかったのだ。

                      その時はたまたまかも知れないと思ったが、その次に自分は人とずれていることを確信した映画があった。それはビヨークが主演した「ダンサー・イン・ザ・ダーク」である。視覚障害を持ち、いずれは失明する運命にある主人公が厳しい状況で必死の現実世界にいる時は常に白黒で描かれるのだが、反対に空想・夢想の世界にいる時はぱっと鮮やかなカラーになり、その中ではミュージカル映画のように楽しくて美しい光景が広がる。そのシーンにグッと来て思わず感動のあまり泣いてしまった。自分以外もみんなも静かに泣いているに違いないと思っていたが、ラストが近づくにつれ、それが間違っていたことに気がついた。最後に死刑になる主人公のシーンで周りの人達は声を上げて号泣を始めたのだ。

                      そんなわけで、ホラーだろうがコメディだろうが、サスペンスにアクション、ラブ・ストーリーであろうが基本は一人で見る。特にホラーなどは大声で笑ってしまうから要注意だ。他人にとってはせっかくの怖いシーンを台無しにしてしまうからだ。

                      そう言えば自分の母親もそうだったことを思い出した。

                      その昔、小学生だった弟が母に懇願して大ヒットロードショー中の「地獄の黙示録」を見に行った時のことだ。途中で大爆発が起こるシーンで母親は大爆笑したらしい。帰ってくるなり弟は、誰も笑ってないところで大声で笑うものだから恥ずかしくてたまらなくなり隠れたくなったと言った。

                      また、それから10年位経ったある夜のことである。自分は2階の自室にいたところ、階下の居間から母が何度も大爆笑している声が聞こえてきた。ドリフでも見ているのかと思い降りてみると、母が見ていたのは何と「死霊のはらわた」だったのだ。

                      今でこそ自分もあの映画で爆笑するだろうが、公開当時はそれまで見た中で最も恐ろしい映画だった。それを見ながら母は笑い転げていたのだった。

                      どうやら人とずれているのは母親譲りだったようだ。


                      件の傑作を含む「ウォレスとグロミット」短編3部作


                      途中のミュージカル・シーンの美しさ!


                      これはストーリーよりも場面毎に笑える。
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                      ギター・レッスン生徒募集

                      大阪市西区にてギター・レッスンしています。
                      ●レギュラー・チューニング
                      ●ギター・クラフト・チューニング

                      入会金5000円
                      ■45分x月3回コース:月謝8000円
                      ■45分単発レッスン:3000円

                      出張レッスンも承ります
                      (出張費別途要)

                      お申込・お問合わせ:
                      lesson@shinkuromatsuura.com

                      ギター名演

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                      コーティング弦を使い始めたらもう戻れなくなった。通常の弦なら、弾かなくてもしばらくすると死んでしまうが、これなら安心。
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