2015.05.25 Monday

映画「セッション」

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    昨年末から今年初めにかけては、見たい映画がほとんどなかったが、この春から夏にかけては目白押しである。さらに気になる音楽関連ドキュメンタリーも多いので、うまく都合をつけて行かないと全部見られないだろう。

    先日は「セッション(原題:Whiplash)を見てきた。ドラマー志望の学生を鬼教師がしごいて・・・という物語だが、そのスパルタぶりたるや星一徹も真っ青になるくらいだ。否、一徹には愛情と鋭い洞察があったが、この教師にあるのは信念と狂気だけだ。主人公を追いつめていく様は音楽映画というより、むしろホラー映画的でもある。

    お客様である生徒獲得のために、ゆるくて甘々な指導が多い昨今、厳しいのは良いが、精神的に追いつめるのは賛成できない。百歩譲って追いつめても良いのは個人練習、レッスンの段階だけであると考える。しかし、この教師はリハーサル、さらに本番のステージ上でも追いつめていくのだ。

    だが、この主人公も非人道的な面では負けてはいない。せっかく出来た素敵な彼女に練習の邪魔になるだろう、いずれはそれが原因でうまくいかなくなるだろうなどと、まだ起きてもいない未来を勝手に想像して別れてしまうのだ。

    結局、ミュージシャンというのは、身勝手で他人のことなど考えないどうしようもない人間だ、というのがこの映画のテーマともいえる。

    とは言いながら、現実では誰もそんなことはやらないだろう、それはないだろうなどと一人でツッコミを入れて笑いながら見ていた自分も、そんなどうしようもない人間の一人かも知れない。

    しかし何と言っても、この映画ではドラムの演奏面はもちろんだが、その音色の美しさに惚れ惚れしてしまった。自分は専門ではないものの、好みの音色がある。ハイピッチのスネア、サスティンのあるタム、そして力任せに叩くのではなく、手首のスナップを利かせた鋭い音色だ。


    さて、見終えて改めて公式サイトを見るとこうあった。「0.1秒のテンポのズレも許さない、異常なまでの完璧さを求める狂気のレッスンだった。」 しかし、仮にテンポがBPM=120だったとすると、1拍の長さは0.5秒、16分音符では0.125秒なのだ。0.1秒もズレようものなら鬼教師でなくても許さない、と思わず突っ込んでしまった。
    2014.06.10 Tuesday

    ダリオ・アルジェントのドラキュラ

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      ダリオ・アルジェントが3Dでドラキュラを撮っているという話を聞いたのは、もう5年程前だろうか。しかしそれから待てども一向に完成したという情報がなかったので、きっと流れたのだろうと思っていた。しかし昨年になってやっと日本でも公開されるという話を聞き、この日を待ちわびていた。

      とは言ってもドラキュラである。これまで数多の映画が作られてきた。古くは英ハマー・フィルムズによるクリストファー・リーvsピーター・カッシングの一連の名作、そしてコッポラによる近年の傑作まで比較する対象が多すぎる。

      アルジェントの持ち味はサスペンスでのスリル感やトリックの秀逸さ、魔女モノでの支離滅裂な展開、そして近年のこれでもかと言わんばかりの残酷描写だろう。そんな彼がドラキュラを撮るのだ。最初にこのニュースを聞いた時、期待と不安が入り混じった複雑な気持ちというのが正直なところだった。しかし前作「ジャーロ」でずっこけながらも楽しめたし、音楽はもちろんゴブリンのシモネッティが担当している。だから、これははずすわけにはいかなかった。


      さて、実際に見てみると予想以上に面白かった。相変わらずの支離滅裂さ、ミナ役の美しさ(あまりの美しさに恋しそうになった。そこでネットで調べたところ、普段の彼女、そして他の映画での彼女を見て失望してしまった。結局自分はこの女優が演じるミナに恋したのだ。)、その他見どころは多かったのだが、アルジェントにしては残虐シーンは控えめ(あくまで近年のアルジェントにしては)だった。

      最も印象に残ったのは、モンスターであるドラキュラよりも周りの人間の方がはるかに残虐だということだ。吸血鬼を殺す為に胸に杭を刺すのはもちろんだが、人間をも残虐に殺してしまう。ドラキュラが唯一残虐な殺人を行うシーンはと言えば、これまで助けてきた人間達が裏切りの密会をしている時だけだった。あとは血を吸ったり、それによって不死の生命を授けたりする程度で残虐性はない。

      しかし一番恐ろしかったのは、やはりアーシア・アルジェントだ。最初にドラキュラに血を吸われてヴァンパイアになる役だったら、本当に恐ろしかったことだろう。

      いや、何と言ってもやっぱりダリオ・アルジェントの方が遥かにモンスターである。これでは特殊メイクをしているのかとさえ思ってしまう。

      2年前のアルジェント:http://www.imdb.com/media/rm1304147200/nm0000783?ref_=nm_phs_md_5

      映画「ドラキュラのアルジェント」公式サイト:http://dracula-argento.net/


      DVDももうじき発売!(しかしここにミナはいない・・・)



      2013.11.26 Tuesday

      映画「ポリス / サヴァイヴィング・ザ・ポリス」

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        ザ・ポリスの映画と言えば、数年前にステュワート・コープランドがハンディ・カメラで撮りためていたヴィデオを基にした「ザ・ポリス〜インサイド・アウト」があったが、今回はアンディ・サマーズの視点に基づいている。だから当然ながら「インサイド・アウト」で感じたバンドの内幕とは違った印象を受けた。

        ところで自分は青春時代=1980年代だったにもかかわらず、同時代の音楽にあまり惹かれなかったが、ザ・ポリスは数少ない例外の一つだった。

        ザ・ポリスとの出会いは1979年春〜夏頃、川村ひさしが関西ローカルでやっていたTV番組、「ポップス・イン・ピクチャー」で紹介した時のことだった。おそらくそのころ、本国でのヒットを受けて日本でもファースト・アルバムが発売になったのだろう。最初はこの生意気な奴らは何者だと反感を抱いたのだが、最後に紹介された「ロクサーヌ」で完全に打ちのめされてしまった。親しみやすいメロディなのに、それまでに聴いたどんなバンドとも違った斬新なアプローチが衝撃的だったからだ。

        それから半年ほど経ち、彼らのセカンド・アルバムのリリースとほぼ時を同じくして、初来日公演が発表された。これは重要なイベントになるに違いないと確信した中学2年生の自分は、生まれて初めてのコンサート・チケットを手に入れたのだった。

        もちろんコンサートそのものは今でも忘れられないぐらい素晴らしいものだった。その後数日〜数週間はそのことを思い返し、また数週間後にはFM大阪で東京公演を収録したものが放送されもしたので、毎日のように聴き狂った。しかし、その後徐々にポリスに対する興味は失われていった。3枚目、4枚目と出るたびに一応FMでエアチェックをして聴いてはいたものの、初期の2枚のような衝撃はもう得られなかった。そんなこともあって翌年の再来日公演には足を運ぶこともなく、また世界的大ヒットとなった5枚目にしてラスト・アルバムの「シンクロにシティー」は当時完全にスルーしてしまっていた。

        さて、今回の映画はステュワート・コープランドの映画とはまた違う切り口でザ・ポリスの裏側を追ったものだが、こちらの方が見やすいと感じた。コープランドの映画は彼自身が当時ハンディ・カメラで撮りためていた映像を使っているのに対し、こちらは基本プロフェッショナルが撮影した映像だからだろう。ただし、コープランドの映画の方が自分もツアーに参加しているかのような臨場感も魅力のひとつであった。

        映画では1960年代にサマーズが参加した様々なバンドの音源から、貴重な初期ポリスTV出演時の映像、そして最近の再結成時のリハーサル、サウンドチェック風景、ライブ映像なども使われている。絶頂期だった80年代前半のTV映像では、解散を煽るかのようなインタビュアーの質問に対し、ジョークで切り返すメンバーの様子が微笑ましく、当時メンバー間の人間関係は最悪だったという「定説」も実はガセではないかとさえ思えてしまうほどだ。また再結成での来日時のシーンで、サマーズが散策していると偶然通りがかったバーから「見つめていたい」のカラオケの歌声が漏れ聞こえてきて、そのまま店に乱入し彼らに加わるというシーンにも笑えた。

        コープランドは正気を維持するためにビデオ撮影を行い、一方サマーズは写真を撮り続けたというのも興味深い。



        JUGEMテーマ:MUSIC
        2013.04.10 Wednesday

        クローザー

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        子供の頃〜中高生時代に見た海外ドラマと言えば、「大草原の小さな家」、「ハーディー・ボーイズ」、「超人ハルク」といったところだが、大人になってからは海外ドラマはほとんど見なくなった。

        その中で数少ない例外が「Xファイルズ」だった。初めて日本でTV放映された時、数回見たきりで興味が持てなかったのだが、海外ツアー中、ホテルのケーブルTVなどで見るうちにハマってしまい、結局全話レンタルして見直してしまった。

        ストーリーやテーマ、キャラクター設定もいいが、なにより基本的に1話完結なのが良い。以前、とある連続ドラマを見ていたら、突然打ち切りになり、中途半端な最終回にがっかりしたことがあった。また、連続モノだと大して面白くなくても続きが気になって最終回まで見てしまい、あとでがっかりする事もしばしばあるからだ。

        さて、Xファイルズを全話見終わってからというもの、しばらく気に入ったものがなかったのだが、昨年から見始めたのが「クローザー」である。女性警視(Deputy Chief)を主人公とする「刑事もの」であるが、推理の面白さ、殺人のトリックも巧妙、さらに容疑者を尋問して追い詰めていく場面も見ごたえがある。もちろん基本一話完結なので、つまらなければいつでもやめればいい。そして脇役である警部、刑事達も全員とても個性的で愛着を持てる。

        しかしいつもあきれるのは、後に結婚するFBI捜査官である彼氏の人の良さだ。いつも仕事最優先で約束もすっぽかしたり用事もできなかったりと、ある意味家庭人としては無茶苦茶な主人公なのに大抵穏やかで優しく、仕事もできてさらにハンサムなのだ。こんな良くできた人間はいるものではない。

        シーズン1から順番に見続けてシーズン5まで見終わった。残念ながら昨年のシーズン7をもって終了したので、楽しめるのもあと数ヶ月といったところだ。次のドラマを探さねば・・・。



        クローザー公式サイト


        JUGEMテーマ:CLOSER

        2012.07.18 Wednesday

        モット・ザ・フープル/すべての若き野郎ども

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          昨夜は映画「すべての若き野郎ども/モット・ザ・フープル」を観てきた。劇場公開どころか日本盤DVDも発売されないだろうと思っていたので、昨年輸入盤DVDで買って既に見ていたのだが、やはり劇場公開となれば話は別である。

          theater

          さて、劇場版は当然本編のみで、DVD収録ボーナス映像の2009年再結成ライブなどはなかった。それでも、大スクリーン(ミニ・シアターなので「中」か?)で見るモットはまた格別だった。印象に残った場面と言えば:

          1.コメントをしていた元クラッシュのミック・ジョーンズの肩書きが「クラッシュ」ではなく単に「ファン」だったこと。

          2.再結成ライブでは、サポートを立てなければならなかったほど病状が気になったドラムのバフィンが意外とまともに話していたこと。

          3.初めてのヒット・シングルが出てアメリカ・ツアーに行った際、ミック・ラルフスが楽器店でギブソン・レスポールを見つけ「ナンボや?」と聞くと「100ドルだ。」と言われ、イギリスでは信じられない安値だったので思わず「えーっ!100ドル?」と言ったら、その店員に「50ドルでいいよ!」と言われたこと。

          4.ミック・ラルフスの後釜に加入したルーサー・グローブナーは、何故エリアル・ベンダーという芸名になったのかというエピソード。

          といったあたりである。ギグ中(の演出)にエリアル・ベンダーがギター・ソロで中央に出て行った時、イアン・ハンターと争っているようにやっていたせいか、その昔、日本盤レコードの帯には「バイオレンス・ロックの・・・」と書かれていたのも今となっては懐かしい。

          DVDで見たにもかかわらず気付かなかった点としては、オヴァレンド・ワッツが一切登場していないことである。もちろん当時の演奏シーンでは登場するのだが、ハンター、ラルフスは当然のことながら、バフィン、モーガン・フィッシャー、エリアル・ベンダー、ヴァーデン・アレンもインタービューで登場するのに、どういうわけかオヴァレンド・ワッツだけ登場しないのだ。そのせいかハンターに「あいつは女ばかり追いかけていた・・・」なんて言われている。きっと今頃後悔しているに違いない。

          しかしこの映画で最も印象的だったのは、バフィンの最後のコメントだ。

          「入りたいと思えるバンドはモット・ザ・フープルだけなんだ。」

          自分もいつの日にか、こんなことが言えるようになりたい。


          大阪では今週金曜(7/27)まで上映中。ファン、そしてすべてのロック野郎どもは是非見てほしいが、劇場で見れなくても近々日本盤DVDが発売予定である。そこには当然ボーナス映像として2009年再結成ライブも一部収録(嬉しいことに、衣装から推測して、自分が見に行った最終公演からも含まれている)。

          flyer

          映画公式サイト:http://www.mott-movie.com/


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