2016.09.29 Thursday

ザ・ビートルズ「ライブ・アット・ザ・ハリウッド・ボウル」と映画「エイト・デイズ・ア・ウイーク」

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    長年廃盤だったビートルズの「ハリウッド・ボウル」がやっとCD化された。

    1977年にLPで出たが、自分が手に入れたのは翌78年のことだ(実は、弟が母にねだって手に入れたものだったが・・・)。ライブ盤が何なのかも知らなかったので、最初に友人宅で聴かされたときは、コンサートを収録したレコードがあることにまず驚いたものだった。
    1964年と65年に発売を前提に録音されながら、音質・内容に不満があるので発売に至らなかったと知り、さらに驚いた。当時小学6年だった自分にとって、演奏も音質も充分良いと思えたからだ。それから数年が経ち、実際にギターを始め、さらにバンドをやりだしてからあらためて聴いてみても、その印象は変わらなかった。むしろビートルズがモニターのないステージで、これだけの演奏ができていたこと、そしてはずさずに歌を歌えていた事に驚嘆した。

    さて、今回のリミックス再発で良かった点のひとつは、ギターが大きくなって聴こえやすくなったところだ。特に「ボーイズ」そしてラストの「ロング・トール・サリー」では、オリジナルよりジョージのリード・ギターがよく聞こえるし、「ボーイズ」のギター・ソロもオリジナルではフェード・インのように聞こえるが、今回はアタマからしっかり聞こえる。

    残念だった点は、ボーカルのエコー処理だ。オリジナル盤に比べ、ディレイタイムが短めである。またオリジナルではディレイ音の高域は絞り気味で、さらにリバーブで沈めてあるが、今回はディレイ音がクリアー過ぎて目立ってしまっている。オリジナルより小さめの会場で演奏しているかのように聞こえてしまう。オリジナルのエコー処理が気に入っていただけに残念だ。


    続いて映画、「エイト・デイズ・ア・ウイーク」も公開されたので、早速見に行ってきた。

    行く前はどうせ知っているシーンばかりだろうからと、余り期待していなかったのだが、それでもビートルズのコンサート・シーンは何度見ても胸が熱くなる。いくつかのコンサート・シーンの音声はハリウッド・ボウルのものがあてられていたりと残念に思う部分もあったが、途中からそんなことはどうでもよくなった。しかし何と言っても良かったのは、本編終了後に上映されたシェイ・スタジアム・コンサートだ。映像も随分綺麗に修復されており、1978年の正月に大毎地下にて初めて見たときの興奮が蘇った。

    あの時は同時上映だった「マジカル・ミステリー・ツアー」目当てで、「シェア・スタジアム」が何なのか知らずに行き、その迫力に圧倒されたものだった。

    しかし今でも不思議に思うことは、「明日に向かって撃て」との三本立てだったことだ。







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    2016.07.15 Friday

    ローラ・ニーロ「イーライと13番目の懺悔」

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      音楽に夢中になっておよそ40年になる。これまでに聴いたアルバムは数千枚になるだろう。しかし、その中で何百回と繰り返し聴いたアルバムもある。また、別バージョンや、より良い音を求めて、何度も買い直したアルバムもある。

      ローラ・ニーロの「イーライと13番目の懺悔」もそんなアルバムのひとつだ。

      最初に知ったのは1987年、トッド・ラングレンが最も影響を受けたアルバムとインタビューで語っていたのを読んでのことだった。それからしばらくしてCD化された際に手に入れた。

      オリジナル盤のリリースは1968年だが、自分がCDで初めて聴いた1990年でも充分斬新な内容だった。内容を言葉で表すのは難しいが、陳腐な言い方をすると、

      ジャズ、ブルース、ソウル、ゴスペル、ポップに影響を受けた、ピアノ弾き語りのシンガー/ソング・ライターが作ったリズム・チェンジの多用と自身による多重コーラスを特徴とする楽曲に、チャーリー・カレロによる素晴らしいバンド・アレンジが施されたレコード

      ということになるだろう。

      それから徐々に他のアルバムもCD化され、そうして全アルバムを手に入れた。また、1994年には来日公演まで行われ、近鉄劇場とチキン・ジョージ2回の公演にも足を運んだ。

      いずれも素晴らしい内容だが、セカンド・アルバムとなる本作の前では霞んでしまうくらいだ。

      この度、オーディオ・フィデリティから、4.0サラウンド入りのハイブリッドSACDが発売された。アナログ4チャンネル盤は聴いたことがなかったので、すかさず予約して手に入れた。早速聴いてみたが、ステレオ・ミックスでは聞こえなかったバイオリンやホーンの音が聞こえたり、今まで気づかなかった深いエコーに驚かされる「ウーマンズ・ブルース」など、数百回聴いてきた耳にも新鮮だ。

      考えてみると、このアルバムがリリースされてから自分が初めて聴くまでに22年、それからさらに26年が経ってしまった。そして自分は既に、49歳で亡くなった彼女の歳を超えてしまった。

      死ぬまでにこんな傑作を創り上げてみたい。

      今回のオーディオ・フィデリティ盤。お約束のスリップケース入り、通し番号入り。




      こちらはアナログ盤。オビのように見えるのは


      歌詞カードの一部を折り返している。


      インナーバッグにはモット・ザ・フープル等が載っているので、当然初回盤ではなく1972年頃のプレス


      2007年の日本盤紙ジャケCD


      2016.03.08 Tuesday

      King Crimson / Live in Toronto, November 20th 2015

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        来る3月18日、キング・クリムゾンが昨年11月20日にトロントにて行った公演を完全収録したライブ・アルバムが発売される。現在予約受付中だが、DGMLiveサイトでは既にダウンロード販売が始まっているので早速購入して聴いてみた。あくまでも「公式ブートレッグ」という位置づけだが、ひとつのコンサートを丸ごと収録しており、さらに11月20日と言えば日本公演の直前であるから、それを体験した者としても買わないわけにはいくまい。数週間先のCD発売までは待ちきれなかったというわけだ。

        さて、現編成でのクリムゾンとしては昨年発売のミニ・ライブ「ライブ・アット・ジ・オルフェウム」があるわけだが、そちらには正直がっかりさせられた。7人編成やトリプル・ドラムの意味がもうひとつわかりにくく、また選曲もぱっとしなかった。もっとも40分程度のミニ・アルバムに、コンサートそのものの良さを収めること自体が土台無理だったと言うところもある。

        そういうこともあって、実は現編成のクリムゾンにはあまり期待していなかったのだ。しかし日本公演があまりにも素晴らしかったので、「ライブ・アット・ジ・オルフェウム」が単に良くなかっただけなのか、それともバンドそのものが進化しているからなのか、それも知りたかった。

        さて、まず一回通して聴いての感想だが、ひとことで言ってこれは凄い。ロバートがそう言っていたが、やはり「バンドは良くなっている」のだ。「オルフェウム」は全体にこじんまりとしていておとなしい印象だったが、今回は実際のコンサートと同じように静と動の対比がたっぷり楽しめる。またトリプル・ドラムの良さもしっかり伝わってくる。

        あらためて「オルフェウム」を聴きなおしてみたところ、イコライジングが甘いせいで、やはりおとなしい印象は変わらないが、その短さを除けばそれほど悪くはないと思った。とは言っても、たとえば「スターレス」を聞き比べてみると、途中の延々続くインスト・パートでのドラムスの白熱具合などは雲泥の差である。やはり演奏自体の活きの良さが前年のツアーとは全く違うのだ。

        今年9月には、これまでの各公演からベスト・テイクを集めた公式ライブが発売されるらしい。さらに映像も出るようだ。しかしひとつの公演をそのまま収録したこのトロント公演は、1970年代のアムステルダム、コンセルトヘボウ公演やニュージャージー、アズベリー・パーク公演のライブと並んで聴き続けることだろう。


        アマゾンでも予約受付中

        DGMLiveの本商品紹介ページ:http://www.dgmlive.com/archive.htm?artist=35&show=2011
        (Easy MoneyのMP3は無料ダウンロードできる。)


        (ライブ・アット・オルフェウム)

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        2016.01.04 Monday

        フランク・ザッパ&マザーズ 「ロキシー・ザ・ムーヴィー」

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          ザッパが亡くなった当時から、いずれリリースされると言われ続けてきた1973年のライブ映像が遂に発売された。そう、自分が最も好きなザッパのアルバムである「ロキシー&エルスウェア」の映像がやっと見られるのだ。

          ザッパのライブ映像といえば、これまでにもいくつか発表されてきた。70年代のものもいくつかあるが、演奏シーンに別映像がかぶせられていたり、妙な特殊効果がなされていたりと、今見ると欲求不満の残るものでもある。しかし今回の「ロキシー」では、ザッパ本人が編集したのではないものの、演奏場面がしっかりとらえられているのが何よりも嬉しい。

          また、これまでは音を聴いて想像するしかなかった「ビーバップ・タンゴ」での、観客をステージに上げて踊らせる場面もしっかり見れる(もっともほぼイメージどおりだったが…)。

          それより何と言っても、複雑かつ楽しく、緻密でありながら大胆で、巧みに編曲された素晴らしい楽曲が凄腕ミュージシャン達によって演奏されるさまを映像で見せつけられて、圧倒されっぱなしの90分なのだ。もちろん観客を楽しませるための趣向もあるものの、80年代の「ダズ・ヒューモア・ビロングズ・イン・ミュージック?」などで見られる、ちょっとやり過ぎなぐらいの、そしてお下劣過ぎる演出もない。ほとんどの楽曲は、ただ最高のミュージシャン達が黙々と演奏するのみなのだが、その場にいた観客も圧倒されている様子が伝わってくる。

          「チープネス」からギター、ベース、キーボード、ホーンを取り除き、ドラム二人とパーカッションのみで演奏される「チープネス・パーカッション」なんていうのも収録されているが、バンド全員ではわからなかった細かいところまでしっかり聴くことができて、これもまた嬉しい。

          いずれにしても、「ロキシー&エルスウェア」とは別テイク(MCや観客とのやりとりなど部分的に同一と思われるものもあるが、もちろん別ミックス)なので、付属のCDもありがたい。

          こうなったら、数年前に発売されたものの少し高すぎる価格設定に購入を見送っていた、やはり別テイク収録と思われるCD、「ロキシー・バイ・プロキシー」も買わなければ・・・。



          ブルーレイ+CDの2枚組


          DVD+CD


          「ロキシー&エルスウェア」CD(こちらはスタジオでのオーバーダブもあり)


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          2015.11.13 Friday

          ビートルズ1+

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            「ビートルズ1+」を買ってしまった。

            これまで自分にとってビートルズのベスト盤といえば「オールディーズ」のことであり、「1」はおろか、赤盤青盤も認めなかったのにである。

            なぜ認めなかったかというと、「1」には「プリーズ・プリーズ・ミー」も「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」も入っていないからだ。いくら英米チャートで1位になった曲だけを集めたアルバムといっても、これは解せない。ましてや「プリーズ・プリーズ・ミー」は、あるチャートで1位にならなかっただけで、他では1位になっているのだ。

            しかし、今回購入を決意したのは、
            1. ジャイルズ・マーティンによるリミックス
            2. 映像の音声は5.1リミックスも収録
            3. 「1+」のボーナス・ディスクには「プリーズ・プリーズ・ミー」そして「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」も収録

            という理由からだ。

            取り急ぎ、CDと映像の本編は視聴したが、さすがにマルチ・マスターからリミックスされているので、各楽器も歌もクリアーである。かと言ってリミックスにありがちな違和感はそれほどなく、曲によってはオリジナルでは聴こえなかったところもあえて大きめにミックスされていて新鮮な驚きがあったりもする。

            例えば「レット・イット・ビー」はオリジナルでカットされていたギターのオブリガートや小さかったバッキング・ボーカルが大きくなった。

            またオリジナルでは仕方なくモノだった「エリナー・リグビー」の弦楽四重奏もステレオに広げられている。当時は4トラック・マルチしかなかったので、トラックが埋まったら、もう一台のマルチの1トラックにバウンスして、残った3トラックに音を重ねていたはずだが、バウンス前のマルチもバウンス後のマルチと同期ができるようになったコンピュータ編集の恩恵である。

            さぞ父親のジョージ・マーティンも喜んでいることだろう。

            おそらく、今回「1」をリミックスで出して世間の反応が良ければ、全アルバムをリミックスで出すものと思われる。この仕上がりなら是非全て聴いてみたい。

            しかし、それよりも先に出してほしいものがある。それは、

            1. ハリウッド・ボウル・ライブ完全版
            2. 昨年のアナログ・モノと同作業によるアナログ・ステレオ・レコードの再発
            3. シェイ・スタジアム・コンサートのDVD/ブルーレイ化
            4. 映画「レット・イット・ビー」のDVD/ブルーレイ化

            早くしてくれないと、こちらも年老いてしまい、いつ耳が聞こえなくなるかわからない。




            2015.06.01 Monday

            スティーヴン・ウィルスン Hand. Cannot. Erase

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              発売3ヶ月にしてやっと、現在プログレ界で最も多忙な男、スティーヴン・ウィルスンの新作アルバムを聴いた。

              実はこれまで彼が関わったアルバムで聴いたのは、ポーキュパイン・トゥリー1枚とソロ前作「レイヴンは歌わない」の2枚のみだった。それらは悪くはないが夢中になって聴くということもなかった。そして2006年のポーキュパイン・トゥリー来日公演にも足を運んだのだが、その時もピンと来なかった。

              しかし今回のアルバムは文句なしの傑作である。

              レコーディングには前作同様、今もっとも注目のギタリストであるガスリー・ゴーヴァン、ドラムズにはガスリーとのアリストクラッツでも活動中のマルコ・ミンネマン、ロバート・フリップとの共演やソフト・マシーン・レガシーにも参加している管楽器奏者のテオ・トラヴィスら基本メンバーに加え、元XTCのデイヴ・グレゴリーも参加している。

              今回はコンセプト・アルバムとのことだが、そういった予備知識なしに聴いても素晴らしい。それぞれの楽曲はバラエティに富んでいるものの、全体の流れがスムーズで飽きさせないのだ。

              超一流プレーヤー達が参加しているにもかかわらず、各プレーヤーのソロは前作に比べて控えめで、あくまでも楽曲に花を添える程度なのも好感が持てる(と言っても充分凄いのだが・・・)。またウィルスン本人のギター・ソロもアンディ・ラティマー風で良い。

              2年ぶりのアルバムだが、その間キング・クリムゾン、イエス、XTC、ティアーズ・フォー・フィアーズ、ジェスロ・タルその他数多い名盤の5.1サラウンドとステレオ・リミックスを手がけ、さらに近々発売予定ではロキシー・ミュージック、スティーヴ・ハケットら諸作品のリミックスも行ったようだ。

              約30年前「世界で最も多忙な男」と言えばフィル・コリンズのことだったが、今ではスティーブン・ウィルスンこそ、その異名に相応しい。フィル・コリンズの場合、ソロ〜ジェネシス〜セッション参加〜映画関連など多岐にわたる仕事ぶりで忙しかったが、ウィルスンはプログレ(+ひねくれ英国ポップ)限定でこれだけ忙しいのだ。

              おそるべしウィルスンである。


              レコーディング風景など


              収録曲「パーフェクト・ライフ」のヴィデオ・クリップ


              冒頭2曲の試聴









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              2014.03.02 Sunday

              Paul Rodgers - The Royal Sessions

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                その音楽が好きになるかどうかのポイントは、楽曲そのもの、演奏や歌の巧さに加え、楽器の音色や録音の状態も重要である。いくら楽曲や演奏が良くても何故か好きになれない音楽はたくさんあるのだ。さらに歌モノの場合、シンガーの声質も重要である。良い歌手だし音楽も良いのに何故か好きになれない時、シンガーの声そのものが好みでないことが多い。

                自分にとってポール・ロジャースもそんなシンガーの一人だ。過去2度ライブで聴く機会があったが、非の打ち所のないという表現がふさわしいシンガーだと感銘を受けた。にもかかわらず、それほど好きになれなかった。これまでフリー〜バッド・カンパニー、ザ・ファームなど多くのアルバムを聴いてきたが、やはりそれほど夢中にはなれなかった。

                しかし今回の新作は素晴らしい。彼が影響を受けてきたと思われるソウル〜R&Bのスタンダードをほとんどストレートにやっているだけなのだが、最初に針を落とした瞬間(購入したのはハイレゾ・ファイルだから、プレイボタンをクリックした瞬間と言うべきか)から、あまりに心地良すぎてすっかり引き込まれてしまった。

                オフィシャルサイト(http://paulrodgers.com/release/the-royal-sessions/)によると、このアルバムはメンフィスのローヤル・スタジオにて、往年のレコードに参加したプレイヤー達と録音したとのことだ。最近のレコーディングでは、経費節約のため録るのはおろか、スタジオさえも別だったりすることが多いが、このアルバムはロジャースのボーカルも含め、ベーシックトラックは全員同じスタジオで一斉に録ったとのことだ。しかもプロ・トゥールズ等のコンピューター・レコーディングではなく、アナログ・テープを用いて録られたらしい。

                レコーディング・テクノロジーの進化は、楽器はできなくともアイディア豊富なクリエイター達が素晴らしい作品を生み出す機会を与えたが、優れたシンガーやプレイヤーにとっては逆効果だったりすることも多い。ロジャースのようにピッチ補正も何度も録り直す必要もない優秀なシンガーなら、一発でやったほうがノリも勢いも、そしてグルーブも生きてくるのだ。

                今回採りあげられているのはオーティス・レディングのレパートリーを中心に、アルバート・キング、サム&デイヴなどのヒット曲等だが、最初に曲目リストを見た時に選曲ミスではないかと疑問に思ったのがディオンヌ・ワーウィックのヒット「ウォーク・オン・バイ」である。しかしここはさすがにロジャースの持ち味に合わせてうまく料理されている。

                こんなバンドを引き連れたソウル・レヴューなら,是非生で聴いてみたい。






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                2014.01.05 Sunday

                キング・クリムゾン The Road To Red

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                  2009年から始まった怒涛のクリムゾン40周年再発シリーズ、2013年今秋は「USA」の超拡大版である本ボックスが発売された。それもCD21枚+DVD1枚+Blu-ray2枚の計24枚組というシリーズ最大のボリュームとなった。

                  最初にこのボックスのリリースが発表された時、2009年に40周年シリーズ第一弾の一つとして「レッド」は発売済だったのに、何故また内容が重複してボックスが出るのか疑問だった。

                  40周年シリーズの良いところは:
                  1.5.1サラウンド・リミックス収録
                  2.新ステレオ・リミックス収録
                  3.前回「30周年シリーズ」としてリリースされたオリジナル・ミックスのリマスターも収録
                  4.さらにアウトテイク、別ミックスなどのボーナス音源収録
                  である。

                  だから過去の30周年シリーズを持っていてもそれらを安心して処分できる(と言いながらまだ処分していないが・・・)。さらに豪華版ボックスにはこれらに加えて英国初回盤から取り込んだハイレゾ音声、未発表ライブ音源その他も収録されていたので、ボックスと単体両方買う必要もなかった。よく他アーチストのこういった再発では、ボックスを買っても単体にしか収録されていない音源があったりするので、両方買う必要があって非常に困る場合が多い。その点、ロバートはそういうことのないように配慮していると思っていたが、今回は重複内容があるように思えたので、ボックスは見送ろうかと思ったのだ。

                  しかし内容をよく見てみると、ボックス収録「レッド」本編は2009年版にはなかったBlu-rayオーディオ、しかも24bit/192KHzでの収録なのだ。さすがはロバート・フリップ、その辺の整合性は取れている。


                  CDには:
                  1.1974年米国ツアーから16公演分のライブ音源(うちアズベリー・パーク公演は2種類のミックスを収録)
                  2.スティーヴン・ウイルソンによる「レッド」ステレオ・リミックス

                  加えてDVD(音声のみ)には:
                  1.アズベリー・パーク公演2種ミックスの24bit/96KHzまたは24/48
                  2.「USA」30周年リマスターの24/48
                  3.「USA」英国オリジナル・アナログ盤から取り込んだ24/96

                  さらにBlu-ray(音声のみ)には:
                  1.CD収録のうち5公演分の24/192ハイレゾ(アズベリー・パーク公演は新ミックス24/192と旧ミックス24/48両方)
                  2.「USA」30周年リマスターの24/96
                  3.「USA」英国オリジナル・アナログ盤から取り込んだ24/96
                  4.スティーヴン・ウイルソンによる「レッド」ステレオ・リミックス24/96
                  5.2009年「レッド」5.1サラウンド・ミックス
                  6.「レッド」30周年リマスター24/96

                  が収録されている。

                  すなわち、タイトルこそ「レッドへの道程」だが、これは「USA」の超拡大版+ツアー直後に録音された「レッド」の新ミックスと考えるべきなのだ。今年初めだったか、ロバートが日記で「レッド」リミックスに言及し、近々リリース予定であることを書いていた。実は40周年シリーズで「レッド」だけはステレオ・リミックスが収録されていなかったのだが、その理由としてオリジナル・ミックスが完璧すぎてリミックスの必要なしとロバートが記していた。しかし改めてスティーヴン・ウイルソンのリミックスを聴いてみたら素晴らしくて発表したくなったに違いない。だが「レッド」は既にリリースされている。そこで「USA」ボックスにそれを加えて発売することにしたのだと思う。

                  さて、16公演分のライブCD20枚のうち、自分が既にCDまたはDGMLiveにてダウンロード購入して既に聴いていたものは、「グレート・ディシーヴァー」に収録されていたディスク18,19のプロヴィデンス公演、ディスク16のNJアズベリー・パーク2005年ミックス、ディスク20のNYセントラル・パーク等である。20枚の内、これまで未発表だった音源は6枚だったが、自分はそれらを含め16枚は未聴だったことも今回購入に踏み切った大きな理由である。

                  ライブ音源にはPA卓からカセットに録音した音源10公演分、客席で録音されたブート音源1公演分も含まれる。PA卓音源は冒頭や途中が切れているものがあり残念だが、これらはあくまでも記録用としてバンド側がPAエンジニアに依頼して録音しただけのものであり、そういう「事故」は頻繁に起こるものなので仕方のないところである。PAエンジニアにとって最優先事項はコンサート音響だから、開演直後はあれこれ忙しく、バンドに頼まれたカセットのボタンを押すのを忘れたり押せなかったり、またコンサート最中にテープを裏返したり、かけ換えそびれる事も多々あるからだ。

                  いずれのライブも素晴らしいが、今回特に印象的だったのはディスク9の5曲目、Improv IIである。この時代のクリムゾンには珍しいソフト・マシーン風の即興演奏が新鮮だ。また全ディスクを聴いてみてあらためて感服したのは、ギタリストにとってはかなり難易度の高いFractureをほぼ毎晩セットリストに組み入れていたことだ。この曲をライブで演奏するには毎日の練習が欠かせず、さらに70年代のロック・コンサート会場でやるにはかなりの集中力が要求されたに違いないからだ。ロバート恐るべしである。

                  そして「レッド」2013年ステレオ・リミックスも、オリジナル・ミックスを丁寧にマルチから再構築した違和感がないものだ。オリジナル・ステレオ・マスターよりも若いテープから起こしているので、当然ながら各楽器の輪郭もくっきりしつつ、あとからイコライジングやエンハンサーで高域を持ち上げたときに起こるようないやらしさも皆無であり、「レッド」を数百回は聴いてきた自分の耳にも自然に聞こえる。


                  2012年の「太陽と戦慄」ボックス以来、アルバムが出来るまでのドキュメントとしての超拡大版はこれで2作目であるが、今後もこういった企画ができるのではないだろうか。最も現実的なのは「暗黒の世界」箱である。「ザ・ナイトウオッチ」で全貌が明らかにされたアムステルダム・コンセルトヘボウでのライブに加え、既に「グレート・デシーヴァー」で発表されたヨーロッパでのライブも含めれば充分可能なはずだ。強いて言えばさらに「アースバウンド」箱も可能だろうが、これはちょっと厳しいかもしれない。


                  ブックレットには「レッド」収録時のトラックシートや


                  ロバートが「レッド」を作曲したときの手書き五線メモも載っている


                  これまでに買ったコレクターズ・クラブ通販CD、DGMLive!でダウンロード購入した音源もお払い箱か


                  これがレッド箱


                  USA単体にはボックスと同じDVDも付属


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                  2013.12.17 Tuesday

                  ビートルズ The Beatles Bootleg Recordings 1963

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                    本日(2013年12月17日)、予定通りビートルズの未発表テイク集59曲がiTunesストアにてダウンロード発売された。

                    数日前にはアップルからの公式発表もあったので発売は間違いないと思っていたものの、こうしていざ発売されると感慨深い。

                    これまでこうした未発表音源の発売に消極的だと思われたアップル(もちろんコンピュータ会社ではなくビートルズが立ち上げたレーベルの方)が、これら音源を発売せざるを得なかったのは著作隣接権にからんでいるということだ。先頃EUは米国に倣い、著作隣接権の保護期間をこれまでの50年から70年に延長することになったのだが、それはあくまでも公式発表された音源に限られており、未発表アウトテイクや未発表ライブ音源はその対象外とされる。そこでアップル・レコード必要に迫られ、とりあえず50年経ってしまう1963年分を今回ダウンロード限定ではあるが公式発売に踏みきったわけだ。

                    アーティストにすればボツテイクなど永遠に葬り去りたいものだが、既に海賊盤で世界中に出回っているからどうしようもない。さらにネットの普及で今や禁止しようにもどうにも手がつけられない状況である。録音されて50年経てば、それらのボツ音源の海賊盤も大手を振って堂々と販売できるというわけだ。

                    ということは、EUの法改正がない限り、毎年こういう未発表音源が公式発売されるわけだ。

                    それを見越してか、来年にはレッド・ゼッペリン全アルバムがリマスターされ、ボツテイクもふんだんに盛り込まれて再発されるらしい。さすがは商売人ペイジである。以前、未発表曲・テイクなんて残ってないと言っていたくせに、その辺は抜け目がない。

                    と考えると、ロバート・フリップにいたっては、もう十数年前からマルチ録音、PAライン録り、そしてブート音源に至るまで、公式に発売してきた。クリムゾンのデビューから50年を迎える2019年はまだまだ先にもかかわらずである。

                    彼の辞書には、「想定外」などという甘えた言葉は存在しないらしい。

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                    2013.11.11 Monday

                    ザ・ビートルズ 「オンエア〜ライヴ・アット・ザ・BBC Vol.2」

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                      ビートルズ 「オンエア〜ライヴ・アット・ザ・BBC Vol.2」

                      ポール・マッカートニー11年ぶりの日本公演がスタートした11月11日、ビートルズのBBCライブ第二弾が発売された。第一弾が発売されたのは94年だから、こちらは19年ぶりとなる。

                      もっとも第一弾が発売された時、続編は全く予定になかったと思われる。だから今年の夏頃だったかに、突然今回の発売情報が広まった時には驚いたものだ。

                      1988年、FM東京系列で60年代の様々なバンドのBBCライブが大挙して放送された時には狂喜したものだった。ビートルズ、ストーンズ、ヤードバーズ、クリーム、ヘンドリクス、フー、ゼッペリン、クリムゾン等の貴重な音源が毎週放送されたので、文字通りラジオにかじりついて興奮しながら聴いたものだった。

                      その後もNHKなどでビートルズのBBC音源は放送され、さらにヤードバーズ、クリームなどはCDでも出たので、ビートルズはいつかと気をもんだのだったが、いざリリースされると何故あの選曲になったのか疑問だった。ラジオで聞いた中ではもっと良いテイクがたくさんあったのに、どうしてこうなったのか理解できなかったのだ。そして94年ということもあり、少し耳に痛いぐらい高音がきつくEQされていたのも残念に思った。

                      だから今回のリリースが発表された時も驚いたものの、それほど期待はしていなかった。

                      さて、早速聴いてみたが、今回は概ねラジオ収録の日付順に曲が並べられているのが好感が持てる。日を追ってどうバンドが変わっていくかが感じられて嬉しい。また音質も同じ日に収録された前作のディスク1-31. 「ルシール」と、今作のディスク2-1. 「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」を聞き比べてみたところ、今回の方がEQ加減も自然で耳に痛くない(前作もリマスターされているので、そちらでは改善されているものと思われる)。

                      思えば94年の前作発売時には大きな話題になり、発売当日に行列ができたといったこともニュースになっていたが、それに比べると今回はずいぶん静かである。そう、このアルバムはあくまでもマニア向けのものであり、ほとんどビートルズを知らない一般向けではないので、それが自然だと言える。「アンソロジー」同様、ビートルズ全てのアルバムを持っていて、擦り切れるほど聴き倒し、さらなる別テイクを聴きたいという人向けのものなのだ。

                      そういう意味では、ずっと一般的だった76年発売のライブ盤、「アット・ザ・ハリウッド・ボウル」が復刻されないのが不思議でならない。




                      Vol. 2


                      こちらが前作のリマスター


                      JUGEMテーマ:MUSIC

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